【完】ヘタレな彼氏
「軽いキスだけで真っ赤になっちゃう顔も…」
優の背中に腕を回して抱きつく。
するとおずおずとあたしの背中にも腕を回してくる。
「細身に見えて意外とがっしりしてる体も…
全部が好きなんだよ。
あたしが甘えられるのは優だけ。
素を見せられるのは優だけ。
だから…あたしは優がいないとだめなの…」
人見知りゆえにクールに見られるあたし。
周りが勝手に創りだしたあたしの像。
それを壊してしまいたい…けど弱いあたしはそれができなくて…
でも優には見せられたあたしの素の姿。
「あたしの傍には優がいなきゃだめなの。
優がいなくなったら…壊れちゃいそうになる…
もし優が他の人のところに行って
他の人を抱きしめて、名前を呼んで…キスをしたら…
って考えるだけでおかしくなりそう。