閉じたまぶたの裏側で
應汰の仕事が休みの日、予約客がなかったので両親が休みをくれた。

こちらに来てから慌ただしかった應汰は、この辺りをあまり知らない。

「ドライブでもするか。」

「うん。」

應汰の車で海沿いをドライブした。

通りかかった小さな商店でコーヒーを買い、車を停めて海を眺めた。

「思い出すな。」

「初めてのデート?」

「ああ。海、行っただろ。」

「うん。こっちに来てから、海見るといつも思い出してたよ。應汰と海に行ったなって。どうしてるかなーとか、会いたいなって、いつも思ってた。」

應汰は私の頭を軽く小突いた。

「もっと早く言えよ。俺はずっと芙佳に会いたくて探し回ってたんだからな。」

「ごめんね。見つけてくれてありがと。」

私の肩を抱き寄せて、優しく頭を撫でる應汰の手があたたかい。

「しつこいからな、俺は。芙佳を絶対に嫁にするって決めてたから。どこにいたって見つけ出す自信はある。」

「もうどこにも行かないよ。ずっと應汰と一緒にいる。」

「当たり前だ。絶対離さん。」

應汰の唇が私の唇に優しく重なった。

應汰は私にだけ特別優しいって、自惚れてもいいかな。



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