閉じたまぶたの裏側で
「別に面白い事なんかなくてもいいけどなぁ。前に言ってた歳上の彼氏とは続いてんの?」

「……とりあえず…。」

「付き合ってもう長いんだろ?」

「…4年半…かな…。」

「それこそ結婚の話とか、出るだろ?」

相手が結婚してるのに、あるわけない。

「………それはないよ。」

「なんで?」

「なんでも。」

應汰は首をかしげながらビールを飲んだ。

「わけあり?」

「……うん、大有り。」

「それでも付き合ってるのはなんで?」

「なんで?って…。好きだからなんだと思う。でも…この先どんなに一緒にいても、その人とは結婚とか無理だし、もういい加減やめようかなって思ってる。」

「無理なの?」

「うん。絶対無理。」

勲が七海と離婚してまで私を選ぶなんて事は、絶対ありえない。

そんな事ができるなら、勲は最初から七海と結婚なんてしていないはずだ。

「もったいないな。」

「何が?」

「いや…。俺、芙佳とだったら結婚できる。」

「……は?」

いきなり何を言い出すんだ、この男は?

付き合ってもいないのに、それこそ結婚とかありえないでしょ。

「さっきの話だよ。芙佳とだったら、なんとなく結婚生活が想像できると言うか…。」

「いやいやいや…。友達でしょ?」

「そうなんだけどな。俺、芙佳とならうまくやってけそうな気がするよ。」

それは私がオカンみたいだからなのか?

第一、應汰の事は恋愛対象とすら思った事ないのに、いきなり結婚は考えられない。



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