おいしい時間 しあわせのカタチ

 だが、そうじゃなかったときのリスクが、この場のふたりとそして、向こう見ずなところがあると評された大上さんの心にもきっと重くぶら下がっている。


「佐希子さん、俺……」

「大上さんには根岸くんが必要なのよ」


 複雑な面持ちで根岸くんは押し黙る。


「いろいろ思うことはあるんでしょうけど、それは一旦わきに置いて、また近いうちに大上さんを店に呼んであげなさい。そこでもういちどゆっくり話を聞いてあげて」


 そう言い置くと、佐希子はついに踵を返し、店への道をすすんだ。



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