好きと伝えれば。





「山内さん、字きれーだね」




そう言って私に数学の課題のノートを渡してくる矢田くん。



そのまま自分の席にはもどらず、私の前の席に座り、こっちを見た。





「そうかな?」




「うん、見やすくてびっくりした」





褒められると反応に困る。




否定するにもお礼を言うにしても照れてしまう。




「そんなことないよ〜」





「そんなことあるある。
またなんかあったらヘルプ頼んじゃうかも!」




矢田くんはそう言いながら席をたって、友達のところへ行ってしまった。




もうちょっと話していたかったな〜…





…なんて。




アハハ、笑っちゃうな。






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