好きと伝えれば。
体育の授業はつまらなかった。
運動が得意じゃない私。
走るのも遅いし、ハンドボール投げだって10mも飛ばない。
球技なんて全然できなくて、泣けてくるくらいだ。
「真奈美〜、100m何秒だった?」
友達愛ちゃんにそう聞かれる。
聞かないで〜と言いたいくらいだ。
「…19秒33」
「ぶっ」
私がそうこたえると、愛ちゃんは吹き出す。
そしてケラケラと笑いだした。
「そんなに笑うことないじゃん!」
「だって、19秒って遅すぎ…アハハッ」
デリカシーのかけらもない愛ちゃんにうんざりしてしまう。
もうちょっと気使ってくれたっていいのに。