恋チョイス



ナカガワの顔がひきつった。


大きく口をあけ、あたりに視線を走らせていったん閉じ、

「見返りなんか、欲しくない!」

けわしい小声で否定した。


「ヨシダさんを、金でどうこうしようなんて、おれ、そんなこと、絶対考えない!」


「悪いけど、信じられない」

あたしは立ち去るべく、きびすを返した。

「送ってくれてありがと。じゃ」



と、後ろで、
シャッ。


かすかながら、ゾッとする音がした。

< 158 / 243 >

この作品をシェア

pagetop