恋チョイス
「リタちゃん、だれからだったの? その携帯電話、どうしたの?」
せわしく問いつめるハハオヤ。
その声が、顔が、どんどんかすんでいく。
現実感が、みるみるうすれていく。
やけに体がぐらつく。
足もとに目をおとした。
床が、はるか下まで透けていた。
積み上がる空き缶タワーのてっぺんに、あたしはつま先立っていた。
タワーで、雲がちぎれている。
風をうけて顔をあげる。
眼前に、人生の地図がパノラマにひろがっている。
タワーの先で、道が分かれていた。
それぞれの先でも、分かれていた。
そのまた先でも、それぞれに分かれて、はては、無数の未来につながっていた。
いざ、チョイスの時。