wish


友香が屋上から出て行ったあとも昇はまだその場所にいた。

そして何気なく上を見やる。



「気持ちいいよ?」




と言っていた友香の言葉を思い出して、
昇降口の上に登ってみる。

確かに、目の前に空しか見えないこの場所は気持ちいいかもしれない。

大の字になる格好でそこに寝転び、目を閉じる。


そして、「家族」という言葉をまた頭の中で考えていた。




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