wish

学校



どれぐらいそうしていただろうか。

そろそろ戻るかと、昇は起き上がる。

もう授業は始まっているだろう。

そう考えるとあまり教室に戻りたくはなかったが、
一応戻ることにして屋上をあとにした。



教室に戻り、ドアを開くと同時に教室内の何人かが昇のほうに視線をむける。

友香もその1人で、にこっと笑いかけてきたが、それは無視して自分の席につく。

先生も昇のほうを見たがいつものことなので、

「笹木ー、また遅刻か?気をつけろよー」

とだけ言って授業を先に進める。

昇は教科書を取り出し机の上に広げる。

広げただけで、あとは外に視線をむけるのだ。

いつもと同じ。

ただ違うのは友香と話したこと。






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