wish
文化祭が終わったあとの学校は、まるで魂がぬけたみたいになっていた。

みんなやりきった、という達成感もあったのだが、終わってしまえば体は自然とだらけてしまう。

特に間に休みが入れば、それも当然かもしれない。


珍しく遅刻せずに学校に行くと、誠が驚いたように目を見開く。


「おはよ、昇。何かあったのか?
昇がこんなに早く来るなんて珍しいじゃん」


朝、母にも言われたことを言われて、わずかに苦笑する。


「…俺ってそんなに遅刻してるっけ?」

「うん、してる」


誠は即答した。

その返事に、納得いかないというように顔をしかめると、誠はけらけらと笑った。

確かに、最近は遅刻が多かったかもしれない、と思い直すと、


「あ、考え直してる?」

と誠。

「いや、違うし」


素直に認めるのは嫌だから、否定する。

そんな会話をしていたのだが、誠が突然不意をついた言葉を発した。


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