wish

小さなやさしさ

誠に言われたように、友香への連絡は学校が終わってからすることにした。

誰かがいる場所で、連絡をするのはなんだか気恥ずかしいように思ったのだ。

休み時間のたびに恵利子がやってきて、

「友香に連絡した?」

と飽きることなく聞かれたが、

「まだ」

としか返事はしなかった。

いいかげんしつこい、と思いつつも軽くあしらい、学校が終わるまで連絡は一切しなかった。

昇が連絡しないことにしびれをきらした恵利子がまたメールを送っていたが、あいかわらず返事はないようだった。

落ち込むようにも見える恵利子は、友香のことを本気で心配しているのだろう。


「三田、俺学校終わってから連絡するから」

「は?なんで今しないのよ!せっかく教えてあげたのに!」

「別にあとでもいいだろ」

恵利子は聞こえるように「はぁーぁ」と大きなため息をついていた。


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