wish
「まぁいいけど…
ほんとに突然どうしたのよ?」

「テストでいい点とりたいんだけどね…」

「ふーん」


恵利子は訝しげにこちらを見た。

まだ何か疑っているようだ。


「ほら、そろそろテストだし、この頃成績落ちてたから」


いったんそこで言葉を切り、


「とにかくがんばるの!」

と恵利子を見据えた。


「わかった。
じゃあ、今回は私も勉強しようかな。
一緒に勉強したほうがはかどるでしょ?」


意外にもこれ以上を聞こうとしない恵利子に驚きつつも、友香は

「ありがとう」

と恵利子にお礼を言った。


勉強なんて、普段全然しないけど、夢のためって思ったらがんばれるんだな、
なんて思いながら、友香は教科書に向かう。

恵利子も一緒にがんばってくれると聞いて、あったかい気持ちになった。

絶対成績をあげてやる、という闘志が友香のなかに生まれた。

< 189 / 218 >

この作品をシェア

pagetop