wish

重なる背中

昨日の朝、早く起きることができたのは、やはりたまたまだったらしい。

時計はとっくに間に合わない時刻を指していた。

遅刻をするのはいつものことだったが、
今日は友香に行くと約束していたので、少しばかり落ち込む。

それでも慌てることなく、昇は学校に向かうのだった。



学校に到着したのは1時間目が始まって少し経った頃。

扉を開けて中に入るとすぐに、先生から注意の声が飛んでくる。


「笹木、遅刻には気を付けろって言っただろうがー」


軽く頭だけ下げて自分の席につき、教室内に目をやった。

友香の後ろ姿に目をやると、友香は眼鏡をかけていて、昇はいつもと違う印象に少し驚く。

友香の後ろでは、誠も不思議そうに友香の変化を眺めていた。


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