wish
掃除が終わったあとは、体育館に集まって終了式で、全校生徒がそこに集まった。

そのときに、友香を見ることはできたが、当然話すことはできない。

やはり、メールのとおり、学校が終わるまで待つしかないのだろうなと思った。

気の長くなるような校長の長い話を流して、昇はぼぉっと立ったまま時間が過ぎるのを待った。

話が終わった頃には、ほかの生徒も疲れたように欠伸をし、散々に教室に戻っていく。


そうして、今日最後のホームルームが始まった。

荒谷はいつもそんなに長く話すことはない。

今日もやはり長く話す気はないらしく、教壇の前に立つと小さく「うーん…」とうなった。


「まぁ、冬休みだからって、遊んでばっかりじゃなくて勉強もするように。

――以上」


本当に短すぎる話に、教室からは笑いがこぼれた。


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