wish
2文字
文化祭がだんだんと近づいてきた。
学校中の空気が文化祭にむけて活気付いているようだ。
仮装喫茶をするということが決まった友香のクラスは今日、
衣裳の試着をしていた。
クラスに貸衣装店を営んでいる生徒がいたので、
衣裳の調達にはそんなに困ることがなかったのだ。
友香はみんなが楽しそうに衣裳を選ぶなか、
教室の隅のほうに避難していた。
みんなすごい盛り上がってるなぁ…
昇は何着るんだろう…
ふとそう思い、昇の姿を探す。
しかし、教室には昇の姿はなかった。
もしかしてまた屋上でさぼってるのかも、
と思った友香は教室を出ようと扉のほうに向かった。
が、扉に手をかけたときに、恵利子に呼び止められた。
「友香っ、友香の衣裳これなんてどう?」
そう言って恵利子が差し出した衣裳を見て、友香は驚愕する。
「無理!そんなの着れない!」
差し出された服はメイド服だった。
「みんなもう選んじゃったんだからね、友香もわがまま言わないの!」
「やだ―――!!!」
と、友香の叫び声がむなしく教室内に響き渡った。