朱色の悪魔

「…なに?」

「…朱音」

「はい」

なにこれ?なんで抱き締められた?そりゃ抱っこされてましたけども。ベッドの上なら転ばないけど。

弟くんと目が合う。なんかなに考えるか分からない…。

「…危機感ねぇのな」

「は?…っ!?」

っお?…おおおおお?????

なななな!?なんで押し倒されてるの!?

ろくに体動かないから押し退けれないー!!

「朱音」

「ストップ!!ダメ!!」

なにそんな熱々な視線を向けてくるの!?弟くんに何があった!?欲求不満?この色男が!?んなわけあるかー!!

落ち着け、朱音!そうだ!弟くんは暑さでおかしくなってしまったか、私が焦るのを見て面白がってるんだ!この野郎、人がろくに動けないからって!!

「…ダメ?」

あれ、なんか切れた音がした気がする…。

なんでだろ。いやーな予感しかしないんだけど…。

恐る恐る弟くんを見れば、完全にキレたらしい顔が…。

なんでそんなに起こってるんだ!?とにかく落ち着かせよう!そうだ!それがいい!!えっと、とにかくえっと…。

「ツ!?!?」

…弟くん??キミはナニを鷲掴みに…ってッ!?!?
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