朱色の悪魔

それよりも、もう限界。

床に伸びたらさっさと弟くんに回収された。

「朱音、動けねぇのか?」

「ん゛~」

「2ヶ月寝たきりだったら関節とか痛いらしい」

「…正座しなくてよかったんだぞ」

長男さん酷い。私のけじめをそんなあっさり切り捨てるなんてっ!

うぅ、でも痛い…。大失敗だ。

柔軟体操しとけと適当なこと言われて長男さんと父親にバイバイする。

2ヶ月経ってるけど、まだ枦組がやらかしたこととかまだまだ片付ききってないみたい。

後処理で華月組は大忙しであっちもこっちも人手不足だ。だから珍しく三男さんまで駆り出されてるみたい。

だから屋敷もなんか静かだし、変なのー。

弟くんに運ばれてるけど全然誰ともすれ違わないしね。

そんなこんなでお部屋の前到着。長男さんの言う通り柔軟体操してみようかなぁ?

「朱音、手回せ」

「ん」

首に腕を回すと、弟くんは片手で襖を開ける。ってあれ?弟くんの部屋?

弟くんが間違えたこと今までなかったのに変なの。

ってあれ。あれれ??

「部屋違う」

「…」

無視しなくてもいいじゃないかー!

なんでか弟くんの部屋に入って、ベッドで降ろされる。弟くんは襖を閉めに一旦戻って行ったけど、なんで私ここに下ろされた?

弟くんがベッドに近づいてくる。

柔軟体操手伝ってくれるとか?お手柔らかにお願いしたいなぁ。

弟くんはベッドの端に座ると急に抱き締めてくる。

んん!?
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