朱色の悪魔

駅に向けて、適当な路地を使いながら逃げる。

この辺の地図なら頭の中に完全に入ってる。自分がどこを走っているのか随時地図と照らし合わせながら確実に駅に向かう。

背後から聞こえてくる足音がだんだんと減ってくる。

走れねぇ奴と、別の道を突き進んだ奴が外れていった。後ろには2人。

なら、いける。

急に方向を変えて向かってくる奴の1人を飛び蹴りで倒してもう1人は足を払う。

すぐに腕をとって首に折り畳み式のナイフを突きつけた。

「てめぇらどこのもんだ」

「…」

「…答えねぇのか?」

ッチめんどくせぇ…。

足で手を踏みつけて、ポケットやらを探す。

だけど、なんも出てこねぇ。ケータイも、名刺も、拳銃も、ナイフも。

なんももってねぇ。こんな手ぶらってどういうことだよ。

頭踏みつけて気絶させて立ち上がる。

とにかく、早く帰った方が良さそうだな…。
< 171 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop