朱色の悪魔

「っか、い…」

朱音の目は闘志を消さない。

だけど、俺は、俺はもうお前に背負わせたくないんだよ。

だから、俺がお前の代わりに終わらせる。お前の戦いを…。

「…魁」

神哉兄貴は、たった今構えていた拳銃を差し出してくる。

そちらに向かって歩き出す。

こんなの、自己満足だ。俺がやることで満足する奴なんか俺しかいない。

だけど、それでも、俺は、俺がやるべきだと思う。

朱音が、俺のすべてだから。

だから、朱音からすべてを奪い、利用し、傷つけたこいつを、俺は許せない。

神哉兄貴から受け取った拳銃は、重い。

撃ったとこなら普通にある。だけど、俺は、誰かの命を奪ったことはない。

それは、俺のわがままだ。だけど、これは、俺のルールを破ったことにはならないから。

銃口を研究者に向ける。

俺が、終わらせる。
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