朱色の悪魔

「ッ!?」

突如、部屋が赤色に染まる。

警報器が鳴り響き、警報灯が部屋を照らす。

静まり返っていたはずの部屋が突如騒音に満たされる。

「なんだ!?」

長男さんが叫んだのと同時に、全員が臨戦態勢に入る。一瞬で切り替わった華月の人たち。

全員が少しの変化も見逃さないと言わんばかりの眼光で、部屋を睨み付ける。

ッピピと機械音がする。弾かれたように視線を向けた先にあるのは、巨大なモニター。

先程まで真っ黒だったはずの画面は、急に電源が入り、その画面を白く染める。

だが、次の瞬間画面は唐突に切り替わり、赤い背景に黒字で映し出されのは10,00という数字。

その数字がタイマーのように1秒、1秒カウントを減らしていく。

それがなんなのか、分からないようなお気楽者は華月にいない。

「っ総員撤退!!急げ!!!」

組長の怒鳴り声にすぐさま動き出す。

あれは自爆装置のカウントだ。つまり、10分後この施設は爆発する。

調査しようと動き出していた組員たちは作業をすぐさま切り上げ、記録媒体だけでも回収して出口に急ぐ。
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