朱色の悪魔

なんの目的に作られたか。

テロだ。大量虐殺を狙った、いわば生きた兵器。

その血はある意味で毒だ。
その毒を散布するために、怪我は治らない。
広範囲に広がるように、血は固まらない。

朱色の悪魔は、血液中でしか生きられない。
だから、例え皮膚に付着しただけでも、あっという間に体内に潜り込む。
そして、その人の抵抗力や免疫力を最大限に発揮させ、死に至らしめる。

分かりやすいところで言えば急性アナフィラキシーショックを起こした状態にさせる。

だから、共生するためには自己防衛機能を破壊する必要がある。

逆に言えば、朱色の悪魔に対する予防法が、他のすべての自己防衛を捨てることだ。
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