朱色の悪魔

「朱音、ゼロの計画は…」

「でも確実で最善。私なら側近も殺れる可能性高いでしょ?」

「でも…」

「神哉さん。シュリとして行かせてください」

表情を消して、シュリになる。

その意味は長男さんなら分かるよね。朱音は誰の名も呼ばないんだもん。

長男さんは表情をなくし、そして大きなため息をついた。

「…シュリ、枦を殺れ」

「仰せのままに」

かしこまって頭を下げる。

悲痛な大人たちの顔。そんな顔しなくったて大丈夫。

私は本当なら生きているべきじゃないんだから。あなたたちの役に立てるのなら、喜んで身を差し出すよ。

「魁さんには内緒にしてくださいね?帰った時に怒られるので」

「…あぁ」

まぁ、善は急げって言うし、早速行きますか…。

「襲撃の日時は」

「1週間後、夜7:00」

「分かりました」

持っていた箱を机に置いて部屋を出る。

さてと、1週間か…。それまで興味持ってくれるかなぁ?

大体、偶然を装わないとだし…。
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