恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
キュッと、葵さんのネクタイを締める。

初めはぎこちなかったけど、毎朝するうちに、かなり手早く出来るようになった。

出来た…

「ん。ありがとう」

そう言って、おデコにキスを落とす。

「葵さん。あまり無理しないで下さいね」

葵さんの身体が心配だよ。

「そんな顔しないで…
大丈夫。来月になったら落ち着くと思うから」

大きな手が私の頬を撫でる。

グイッと引き寄せられ、

「いってきます」

葵さんの声が、頭の上から聞こえた。

「いってらっしゃい」

ニッコリ微笑み、手を振る。


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