それが伝え方なのです



す、とふくらはぎの辺りに静くんの手が触れてピクリと肩が跳ねる。



「ふっ、ひゃ!もう靴履けてるからぁっ」



実はさっきも言いたかったけど今日に限ってスカートにしちゃって足も素足だから、静くんが触れるたびにちょっとくすぐったくてぞわぞわするんだよ!


遠回しにやめてほしいと伝えたつもりだけどためらいもなく触れる静くん。い、いやじゃないし、立ち上がればいい話なんだけど、ぶつかっちゃいそうだし…


うわーっと頭の中がパニックでぎゅうっと強く目を瞑る。ついでに顔を隠すように覆った。絶対今赤いし!


優しく触れる指先。足の脛のところに何か柔らかくてあたたかいものが押し付けられて小さく音を立てて離れた。



「ぅえ?!」


「うん?」



バッと顔を覆っていた手を外して目を向けると小首を傾げてこちらを見つめる静くんと目があって。


い、いま、今…!!



「ししし静くんなな、何を…っ?!」


「なんだろうね?」





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