善悪の境界線

「………え？せ、青藍ちゃん？」
はぁ、はぁ、と息を吐く。
「………私、しつこいひと嫌いなの。覚えておいてください。……………それじゃ。」
私は冬期に背を向け、カバンを背負う。
「え！ちょ、青藍ちゃぁん！」
そう呼びかけてきた冬期を、私は振り返った。多分、ものすごい顔をしていたと思う。
「……………話、聞いてた、のよね？」
「………は、はぁぁい………！」
冬期は一瞬で青ざめた。