すきだから
「千歳への返事はまだ決めてないの?まあ、付き合っても嫌がらせされるだろうし、断ってもなんでアンタが千歳君を振るの!って嫌がらせされるだろうしねぇ。どっちみち平和は当分訪れないだろうけど」

「そこよ、そこ。今の所彼氏作る気もないしさ。本音は断りたいんだけど、どうやっても千歳ファンからの攻撃は続くんだろうから・・・。どうしたらいいものか」

「ふらふらしているより、気持ちが決まってるならハッキリと断った方がいいと思うけど。断ってしまえば、嫌がらせも少し我慢したら収まるだろうし。何かあっても私が守ってあげるからさ。一人じゃないから」

「うん、ありがと。でも、陽菜に迷惑はかけらんないから、今度なんかあったらちゃんと言い返す。千歳にも言うよ」

「そっか。でも一人で悩んじゃだめだよ?」

「ありがと、陽菜」

陽菜は私の肩をポン、と叩く。



しかしなんであんな人がいる前で、アイツはあんなことを言ったんだろう。
自分で女子に人気があるって分かっているはずなのに。

(アイツの考えている事、本当わかんない)

もやもやとした気持ちを抱えたままで、その日はゆっくりと寝る事が出来なかった。
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