キスの仕方を、思い出して
奏と知り合ったのもバイト先だった。
先に好きになったのは私のほうだ。
明るくて、元気いっぱいで
さらっと懐に入り込み甘えてくる後輩に
その時彼女がいることは、知っていた。
だから、彼女に振られた、と聞いた時は
年上ぶって慰めるフリをしながら
少しだけ、喜んでしまった。
それからゆっくり時間をかけて
奏に告白した。
好き、と。
彼女にしてほしい、と。
奏は笑いながら
よろしくお願いします、と軽いハグをしてきた。