片道のRe:
あんなに大量のチョコを渡すだなんて、絶対にキモいと思われた。
そもそもあんな量、食べきれる訳がない。

恥ずかし過ぎて溶けてしまいそうだ。


――きちんと説明したのに。

オグだって「分かった」って言ったくせに。

全部、オグの所為で――……!


重力に耐え切れなくなった涙が1つ、デスクの上に落ちた。
きゅっと唇を噛み、オグのメールの返信ボタンをクリックする。

キーボードを乱暴に叩くほどに怒りとやるせなさがこみ上げてきて、あっという間に感情剥き出しの長文が出来上がった。


ふっ、息をつき、背もたれに体を預けて文章を読み返す。

やがて呼吸が落ち着くと、ぼんやりと酸素が回り始めた。


こうして遠目から眺めてみると、余りに酷い文章に笑いさえ込み上げてくる。

『これで嫌われたらオグのせいだ』なんて、お門違いもいい所だ。


そもそもオグの言う通り、自分で渡していればこうなることもなかったのだ。

お礼すら言えていない私に、オグ責める権利などないのかもしれない。

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