★MyHomeの秘密★♪





「…誓いのキス?何それ?」


きっと、さっきの凌兄の言葉に返事をした小さい頃のあたしだ。




「結婚する2人がするんだよ」



凌兄は何が可笑しいのか、くすくす笑いながら、
…言葉を並べていく。




「結婚?じゃあ栞、凌兄と結婚するの…?」





あたしが取った距離をどんどん縮め、凌兄が近づいてくる。


そっと、頬に触れる。





瞳が吸い込まれそうな程、綺麗だった。


…すべてが麻痺しそうだ。







『嫌?』



そう、“あたし”に聞いた。



それって…ものすごく、思いっきり詐欺じゃん。

てか、誘導尋問?とかいうやつでしょ。


ミニマムあたし……完全に騙された。



この、目の前にいる魔王で詐欺な、お兄様に。




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