キミへ

Second.

季節は春から夏へ変わっていた。



俺は前と同じような日々を
繰り返していた。



終わらない夢にいるようだった。



”今、嘘ついたでしょ”



一瞬で俺の本心を見破ったナツキの
言葉がずっと頭を掻きまわしている。



「はると~今日もシテくれないの~?」



俺のネクタイをほどきながら
くっついてくる女。



暑いのにやめてくれよ…。



「も~はると、最近冷たい!!」



俺が何も答えないでいると女は
勝手に怒り出して、ネクタイを投げた。



なんでキレられなきゃいけねーんだよ。



最近やけにいらいらする。



ずっと隠してこれた本音が隠し切れない。



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