キミへ
俺は何かあったのかと思い、
本棚に近づこうとした瞬間。



俺は何かが胸に刺さった。



この女の一言で。



「今、嘘ついたでしょ。」



さっきまでとは違う少し冷ややかな声。



俺はつい足を止めてしまう。



なんで…。



今まで誰にも悟られなかったのに。




こいつは何者なんだ?




「…あたしもさ、一緒だから」




その声と同時に本棚の陰から姿を現した。




そして窓側に立って外を眺め始めた。
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