今日はバレンタイン
前半

「っあーーーー…」

よく寝た。時計を見るとAM11:18で、どうやらワタシはしっかりと爆睡してしまったらしい。
まあ大学生であるワタシは、先週から春休みで今日はバイトも入ってないから支障は全くない。

そして今日は乙女たちの戦いの日、2月14日バレンタインというわけだったりするのですが彼氏いない歴イコール年齢で、現在も枯れた女子生活を送るワタシには関係ない話。

しかし。
「あ。材料買ってない」
今日は入ってなかったが、明日は朝から入っているバイトの仲間たちに毎回差し上げている手作りお菓子の材料を買ってないことに今さら気づいたワタシは、
「あー…もう作らない、とか、」
ダメかな。



「卵と砂糖はあるから、あとはバターとチョコ…」
作らなかったら、バイト先の男どもに何言われるか分からないので、結局、材料をスーパーに買いに来ました。

今年はブラウニーを作る予定だ。量産できるから。手抜きだと言われても気にしない。みんなが力いれすぎなんだよ。

…バイト先の彼氏いない系女子およそ6人(ワタシを除く)は、バイトのお店内男子10人の中でたった1人のイケメン君をマジ狙いだ。
それに気づいている他の男子は、なにも狙ってないワタシからの、個人で差のない義理チョコを楽しみにしてくれている、というわけである。可哀想だから作ってあげなきゃいかんなあ。

イケメン以外の男どもから、お返し何もらえるかなーワクワク。とか考えながら、スーパーから帰宅中、
「野原さーん」
「…あ、片谷さん」
そういやワタシと生息場所が近い、らしいバイト先で女子に狙われてる件のイケメン、片谷さんが現れた。

「こんにちわー野原さん。バレンタインの買い物?袋の中に板チョコたくさんはいってる」
「ああはいそうなんですよー。明日バイトはいってるから、今日作らなきゃなーと」
「へー。じゃあ俺、明日たのしみにしてます!」
相変わらず爽やかな顔に外見で中身だなあ、と感心しながら、
「まあ美味しいかは別として作っては行くんで。じゃあ、また…」
と片谷さんとの会話を切ろうとすると、
「あ、ちょ、待ってください…」
何故か引きとめられた。
もー早く帰りたいなー、2月ってまだまだ寒いんだよね。

とか思っていたら、ふと気づいた。
「片谷さん、なんか今日いつものバイトくる時のジャージ姿じゃなく普通に私服じゃないですか!」
「?、そうですけど…?」
「今日はバレンタインですからね、やっぱさすが片谷さんは女の子とデー…」
「デートとかしてないですから!!!1人です1人!」
「近い近い近い!!片谷さん、やけに顔が近い!」

片谷さんなんでかめっちゃ焦っとる!!
なんでこの人、頭突きできるくらい近づいても毛穴見えないの!肌綺麗すぎる!やだもう!こっちはすっぴんだってのに!
いや別にバイト中も、ワタシすっぴんだけどさ!
「ちょっとしたバレンタインジョークですから!ね!ね!」
「…ほんと勘弁してくださいよー…」
「えスルー?バレンタインジョークってとこ笑うとこ」
「いやあ大事なことなんで」
無駄にイイ笑顔が近い。まだ離れてもらえません。


「片谷さんが外見ヨシ性格ヨシなのに彼女いない不思議は、あの店の従業員の中で有名なんで」
「あー…、そうなんですか?」
「これはバイト先で大スクープなるなあと、テンション上がりました」
「違いますからねそもそもデートの予定ないですからねみんなに嘘言いふらさないでくださいね」
「いやあでも女子たち嘘に近いくらいの片谷さん妄想繰り広げてるんで別に…」
「…すこしお話聞かせてもらっても良いですかね」

あ、しまった。これ本人には内緒の話だった。
< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop