掌
「達也君…中学のときに、付き合ってた子がいたんだって。」
今からあたしに話すのは、全部、健太君から聞いた話らしい。
「達也君ね…その子に暴力ふるってたんだって……。それが原因で別れたらしいの。」
暴力…?あたしと同じって事?
「だから、達也君が彼女に暴力をふるうのは歩だけじゃなくて…昔からだったの。中学から治ってないって事…。そうゆう人なんだよ…?」
何…?
その言い方……。
まるで…
温かく包み込むあの掌や……
ガラスに触れるかのように、あたしに触れるあの指や…
優しく愛しいあの笑顔が……
全部…
全部あの達也が…偽者みたいじゃんか…。