我那覇くんの恋と青春物語~桜沢紗希編~
夕食を済ませ、部屋に戻ってアルバムを広げる。

卒業や思い出などに、昨日までは浸るつもりなどなかった。

しかし、さくらさんに電話して、何故だかあの頃の思い出を見たくなったのだ。



アルバムを広げようとしたとき、部屋の電話が鳴り響いた。


「もしもし、桜沢といいますけど・・・」


「あっ、さくらさん」


まさか彼女から電話がかかってくるとは思っていなかった。

以前、連絡を取り合っていたとき、彼女からかかってきたことがなかったわけではない。

初めてではないのだが、昨日久し振りに電話をして、次の日というこのタイミングに驚いた。


「こんばんは。良かった・・・お家の人が出たら、どうしようかと思った」


「俺、一人暮らしみたいなものだから、いつでも平気だよ。どうしたの?」


「うん・・・別に用事があるわけじゃないの。少しあなたとお話しかったから・・・駄目かな?」


「いや、全然駄目じゃないよ。突然だったから、驚いただけ」


「くすっ・・・電話は突然かかってくるものだよ」


「あっ、これは一本取られた」


懐かしい・・・



アルバムを見ながらということもあり、あの頃のことが鮮明に思い出される。

あの頃はこんな何気ない会話を一緒にいるときにして、よく笑ったものだ。
< 9 / 46 >

この作品をシェア

pagetop