減らない山とため息と
残業はいつものこと
ねえ、怒ってる?いや、怒ってるよね。

悪かったとは思ってる。いつも申し訳ないなと、思っていますよ。だって、君は普通に仕事をしただけだもん。

君にはいつも、感謝してる。君の仕事を、お客さんもすごく評価してる。私の方が年上だけど、この職場では君の方が先輩だし、尊敬もしてるよ。

でもさ、減らない仕事の山と、毎日の残業、ため息も出ちゃうんだよ。ぶっさいくな顔にもなっちゃうんだよ。

でもさ、なんとか目処もついたから、今日の残業はこれぐらいにするね。

あ、もうすぐ時間だね。

ガチャっというドアの開く音がした。振り返ると、外回りから帰ってきた課長だった。

ちょうど、時報がなった。

「お!クリスマスソングじゃん!」
「そうなんですよー。この時計、3つぐらい設定があって。昨日変えてみました。」
「さすが、千香ちゃん、気がきくね。」

やった!大好きな上司に誉められた!

ありがとう、君には感謝してるよ、壁掛け時計君。

「じゃあ、気がきく部下に…」

こんなこと、言ってもいいかな。

「ご褒美下さい。ちょっとでいいから。」

課長、困った顔してる。でも、少しだけ勇気を出した。

「ご褒美、ね。」

顎に手を当てて考えた課長は、自分の席に鞄を置いた後、私の方に近づいた。

「セクハラとかじゃないから。」

そういうと、ぎゅっと私を抱きしめた。

「ずっと、こうしたかった」

ドキドキした。

私もずっと、こうしてほしかった。

これは、君と私だけの秘密。
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