ロールキャベツは好きですか?

彼に告白されたときから、きっと何かが始まっていた。

それまで隣の席の部下だったのに。
必要以上に気になって。

その誠実さと内に秘めた情熱。
穏やかな彼が見せる色気に、鼓動は反応するようになった。

素直に過去を話してくれた祥吾くんに応えたくて、私も過去を話そうと家へ上げたけれど。

私は唇を噛み締める。

「……言えなかった」

私のつぶやきは彼の寝息にかき消された。

今までの恋人に言えなかったことは、やっぱり祥吾くんにも言えなかった。

一番大切なことを……。
私が結婚を望めない理由を……。

いつか、言える日がくるだろうか。
そのことを知ったとき、彼はどうするだろう?
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