ロールキャベツは好きですか?

もし、私の秘密を知って、彼が別れを告げてきたら……そのときは、ちゃんと受け入れなくちゃ。

ちゃんと彼の幸せを願うなら、ちゃんと……。

「……祈梨さん、起きてますか?」

耳元で囁かれて私はそれまでの考えを振り払う。
笑顔を貼り付けて、ゴソゴソと寝返りをうった。

「……おはよ」

「おはようございます」

至近距離でのおはようは、かなり照れくさかった。
それは祥吾くんも同じようで、二人で頬を染めた。

「なんだか、照れくさいですね」

「ほんとに」

お互い初めての相手ってわけでもないのに。
どんなふうに、朝を迎えればいいのか、緊張してわからない。

「祈梨さんは今日、仕事行きますか?」

今日は土曜日だ。
一応うちの職場は土曜日は休日。

「今日は行かない。特に急ぎの仕事ないし」

「じゃあ、もう少しこうしていても大丈夫ですね」

言葉とともに、ぎゅっと抱きしめられた。
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