あの夏の日 #6
「はぁー…人騒がせにも程かあるよねぇ。」
そう言って椅子に座る。

『………』
えっ?もしかして私って目立っちゃった?

もう嫌!
ドンッ…
机に顔をぶっ潰した。

何で、何でこうなるの?
嫌だよ!

色んな視線を感じつつ、私は、顔を上げた。


トントン、トントン…
せいちゃんっ!
せいちゃんは、こんな時助かる。


「りーさぁー!」
「んっ?何、加衣?」
加衣が急に顔を赤くして、下を向いた。

「えっ、えっとぉ…」
「んっ?」
「焼きそばパン、くれない?」

「えっ?いいよ!」
「…」
「もしかして、お金忘れた?」
「あっ、うん…」
「そっか、はい!」

加衣は、顔を上げて
「ありがとう!」
満面の笑みを広げた。
でも、どこか申し訳なさそうで、強そうな顔をしていた事は、忘れられなかった。

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