悲しみに、こんにちは3
第3部

その1


「ユズキ先輩の髪って、もしかして地毛ですか?」


駅前のスタバでテスト勉強をしようと言ってきたのは、入家君だった



「そうだよ、実は地毛なの」


「光に当たると透き通るんですね」


わたしの髪は普段は焦げ茶色だが
ひかりに当たると明るくなる


「入家君は、それ、染めてるでしょ?」


わたしは入家 皐月の栗毛色の髪を指差した


「わかります?」


「そりゃあ、わかるわよ、頭軽そうだもん」


皮肉たっぷりに軽口を叩く

学園の皇子を侮辱する女なんて
わたしだけだろうなあ、なんて思う


「……ユズキ先輩って時々、刺々しいですよね……
先輩ぐらい茶色いと、染めてるって言われません?」


呆れた顔の入家君は
なんとも気だるげだ



「うん、先生とか勘違いしてるかも」




「地毛登録しないんですか?」



「……そのさあ、地毛登録ってなんなの?髪の毛提出すんの?」



「……先輩、本気で言ってます?」



コーヒーから顔をあげた入家 皐月はギョッとした顔をした
まんまるお目は飛び出しそうだ


ふーん、皇子もこんな顔するんだあ……





「はあっ?本気のホンキ、大真面目だよ」




「……先輩って、実は馬鹿なんですか?」


……ほんと、むかつくガキだ
目が笑ってるぞ……
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