悲しみに、こんにちは3

入家 皐月は普段は猫被ってる
彼の本性をみんな知らない




「さつきくーん!!」

キャピキャピ系女子がサッカー部の応援、否、入家 皐月を見に来てる

放課後、校内に響く黄色い声が
鼓膜をぶち抜きそうだ



「あんた、言葉使いきたない」

隣を歩く、ラブちゃんが辞書で私の頭を叩く
当然、紙の英和辞典だ


いたいつーの



「入家君って帰宅部じゃないの?」



「よく、助っ人に呼び出されてんのよ。
ほら、運動神経いいでしょ。」



「ふーん、なんの為に?」




「さあ、ボランティアじゃないの?」


ボランティア?まさか、ありえない
きっと、裏取引があるに違いない



「あーん、もう、かわいいし、かっこいいしー目の保養よねぇ。」


「皐月くーん、がんばってー!!」


入家 皐月が彼女たちの声援に応えるようにゴールを決めると
女子共が一気に盛り上がる

当の本人は涼しい顔してにっこり微笑んで彼女たちを見る



「……うわぁ、ありゃ、またファンが増えるぞ、こりゃ」

長身のラブちゃんが頭をかかえて、苦笑い


「……胡散臭いよね、ほんと」


「……でも、あんたら付き合ってるんでしょ?」


ラブちゃんが不思議そうな顔で私を見る
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