生きる。



結局今日は由茉と会話もなければ

目を合わすこともなかった。


「ねー、湊ー乗せてよ~」


勝手に乗ろうとしている凛。


「だからそこは姫の席。

お前もう帰れよ。」


「いいじゃーん、姫にしてよー」


「如月の姫はもういる。

良い女すぎてお前じゃ到底無理。

さっさと帰れ。」


「もしかしてさっきの由茉って子?」


「……だったら?」


「えーまじで!?あんなんがいいの?

湊と釣り合ってなーい。」


こいつ……


「少なくとも凛よりはましだ。

由茉は人の心を思いやる女だからな。

お前みたいに自分のことしか考えられないやつは

如月にはいらない。

これまでも、これからもな。」


そう言ったのは爽だった。


「お前は湊がいいわけではない。

総長がいいだけだろ。

俺が総長だったら俺に寄ってくるんだろ?

いい加減にしろよ。

如月には由茉がいる。他の姫なんか要らない。」


爽がここまで言うのは本当に珍しい。

俺が情けないからだな、きっと。


「凛、帰れ。もう来るな。」


俺は凛を突き放した。


「……なによ!バカにしないで!

湊も爽もどうかしてるわ!」


そう言って凛は帰っていった。


「みんな悪かったな。」


「……謝んのは俺らにじゃねーだろ。」


颯の言うことも一理あるな。

でも凛のせいで傷ついたやつもいるわけだしな。


「ごめんな。」


俺はもう一度謝った。


由茉のことは気になるけど…

俺が抜けるわけにはいかないから。

俺らは走りに行った。



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