明日へのヒカリ

泊まった先で



ここは脱衣所。


「ふぅ〜、気持ちよかったぁー!」


私の隣で、美咲が満足気にそう言った。


「そうだねー、旅館だけあって温泉は気持ちよかったね〜」


ここの旅館には温泉がある。

それも、結構人気のある温泉だ。


山から、ここまで移動するのはめんどくさいけど、女子たちは、なんだかんだ言って、この温泉を楽しみにしている人が多いのだ。


「2泊3日って、長い様で短いんだよねー」


美咲が楽しそうにそう言う。


「この温泉に入れるのも、明日までかー」と、そんなことを言いながら。

「でも、純平くんにあんまり会えないよ?
寂しくないの?」


純平くんは、3組である。

そして、私たちは1組。

3組と1組って、地味に関わりがないんだよね‥‥‥。

だから私は、美咲にあんな質問をしたのだった。


「寂しくない‥‥って言ったら嘘になる。
でも‥‥‥」

「でも?」

「でも、すごく楽しいのも嘘じゃないよ。
由希だっているしね? それにー、今から会う約束してるしね」

「え、そうなの!?」


私は驚いて、美咲の顔を見た。

美咲は、少し照れたようにはにかみながら笑っていた。


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