お前のとなりは俺だから
私と皐月が睨み合ってると、「お取り込み中悪いんだけど」と、声が聞こえてきた。
「え?」
私と皐月が振り向くと、そこには楓が立っていた。
「あっ、楓〜」
「あっ、楓〜、じゃないよ。あんたら二人してカバンも持たずに……」
そう言いながら、ため息を付いている楓を見ると、カバンを3つも持っていた。
「うわわっ、ごめん楓! 重かったでしょ」
「うん、そーだね。それなりに」
そう言いながら楓は、私達二人にカバンを渡してくれる。
「今日はもう、案内終わったら教室に入らずに、そのまま帰りたいでしょ?」
その言葉に私は、「さすが楓〜、わかってる〜」と言ったところで、ふと思い出した。
「そういえば皐月、教室でのアレ。どーゆーこと!?」
「お前忘れてたのかよ」
皐月と楓が、やれやれと溜め息をついている。
「アレは、そのまんまの意味だよ」
「……はぁ?」