お前のとなりは俺だから


「いや、だって……」


と、楓が答えようとしたら、皐月がそれを遮って、「俺ら、いとこだから」と言ったのだった。


「えぇ、うわっ、マジッ!? 楓、こんなムカつく顔のいとこがいたのっ!?」

「そうそう、こんな可愛げのない、しかも、ムカつく顔のいとこが、実は居たりしたのよ」


それを聞いた皐月は、ジロリと私達を見ながら、「誰が可愛げのないムカつく顔だよ」と言った。


「あんた以外にいないでしょ」


そう言いながら楓はププッと、口に手を添え笑った。


「チッ」


皐月は舌打ちをしながら、私達とは逆の方向に顔を向け……たが、すぐコッチに顔を戻した。

あまりにも不自然は戻し方に、「皐月、どうかしたの?」と、私が聞くと「見てる……」と、謎の言葉を発する。

私が首を傾げると、「見られてんだよ」と、眉間にシワを寄せながら、目つきを鋭くさせながら言った。


「誰に?」


私が聞くと、即答で返ってくる答え。


「ケバブ」


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