お前のとなりは俺だから
「なっ、あんたバカでしょ! なんでおっきい声で言うのよ!」
私は、あくまでも小さい声で皐月に向かって言う。
しかし皐月は、私の存在を無視して、西原の方を見ている。
楓は、「あ、ケバブって、西原か〜」と、一人、満足気な顔で、手をポンッと、させた。
未だに、西原の方を見ている皐月に、「ね、ねぇ、皐月……」と名前を呼びながら、肩を揺する。
「さつ……」
「俺、ちょっとサボるわ」
そう言った皐月は、椅子から立ち、悠々と教室から出て行ったのだった。
「あーあ、ついにサボりやがったわ、あのバカ」
楓はそう言いながら、「これはもう、おじさんにチクらなきゃね……」と言いながら、「フフフ……」と、不気味に笑った。