お前のとなりは俺だから
「はいはい、そこのバカップルー」
「なっ、誰がバカップルだっ!」
皐月の言葉に、楓は「あんたら以外にいないでしょうが」と事もなさ気にそういった。
「俺は、こいつなんかと……っ」
「わ、私も……!」
私達がそう言うと、楓はニヤリと笑ったかと思うと、私達の逆を向いて肩を揺らした。
「くそっ、全部知っているだけに、余計に腹立つっ」
皐月はそう言いながら、少しだけ顔を赤らめ、楓の方を向き、拳を作って、それをワナワナとさせている。
そしてようやく向き直ったかと思うと、「先生が入ってくるよ」と、謎な言葉を言う。
「「はぁ?」」
私と皐月が首を傾げると「…3…2…1」とカウントしていたものがそこまでいったとき、ガラガラッと音がした。
「おい皆ー、席につけよー」