お前のとなりは俺だから
「あんた、学校、どーすんの?」
あたしがそう問いかける。
すると皐月は、
「は? 普通に来るけど?」
「いや、うん。ごめん、通じなかったね」
私が聞きたいのは、そんなことじゃない。
「学校案内ね?」
そう、これである。
皐月の隣の席は、西原である。
なので先生は、学校案内を西原に頼んだのだ。
「ったく、あの教師、ふざけてんだろ」
「なにがー?」
皐月の言葉に楓がのんびりそう返す。
すると……
「なんで俺が、あんなウゼェやつの隣にならなくちゃいけねぇんだよ。フツーに考えて、夏菜の隣じゃね?」
「何をどう普通に考えて、その考えに行き着くかは謎だけどねー」
皐月の言葉に対して、楓は的確なツッコミを入れながら数学のワークの問題を解いていた。