お前のとなりは俺だから


「いや、だってさ〜」と、皐月はまだ、グダグダ文句を言っていた。


「で、学校案内どーすんの?」


私がもう一度聞くと皐月は、は、何言ってんだコイツ。みたいな顔をして、


「夏菜がするに決まってんだろ」


と、サラッとそんなことを言ったのだった。


「……え、私?」


私が、ポカーンとしていると私の前に座っていた楓が、


「あ〜、なるほど〜!」


と、勝手に一人納得している。


「え、え? いやいやいやいや、なんで?」


私がそう聞くと、「逆になんで?」と返ってきた。


「いや、なんで私がするの?」


そう言うと皐月は、


「俺は、あいつらと喋ってる暇なんてないから」


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