May I Kiss You? 【ぎじプリ】
「どうもありがとうございます」
主任とお揃いのマグカップかぁ。本当はうれしいけど、ちょっと違うんだな……。私が本当にほしかったのは、この新品のマグカップじゃなくて、主任が使っている方のマグカップなんだ。
なんて、そんなこと、言えるはずがない。主(あるじ)のいない隙に所有物にキスしようとして、「おまえは小学生か」って〝彼〟に言われたくらいだし。
「あんまりうれしそうじゃないな」
主任に言われて、私はあわてて顔を上げた。
「あ、いえ! そんなことないです。ほしかったんで、すごくうれしいです」
「そうか?」
「はい……」
主任は小さく首を傾げたかと思うと、右手を伸ばして、トン、と私の横の壁についた。
これって壁ドン!?
やだ、嘘、主任に!?
きれいな鳶色の瞳で斜めに見下ろされて、ドキドキしてしまう。
そっと視線を落とすと、主任のスーツの左手が私を囲うように顔の横で壁についた。
「俺、前から疑問に思ってたんだけど、塚本さんがいつも熱い目で見つめてたのは、俺のマグカップなの? それとも……俺の唇?」
「えっ」
主任とお揃いのマグカップかぁ。本当はうれしいけど、ちょっと違うんだな……。私が本当にほしかったのは、この新品のマグカップじゃなくて、主任が使っている方のマグカップなんだ。
なんて、そんなこと、言えるはずがない。主(あるじ)のいない隙に所有物にキスしようとして、「おまえは小学生か」って〝彼〟に言われたくらいだし。
「あんまりうれしそうじゃないな」
主任に言われて、私はあわてて顔を上げた。
「あ、いえ! そんなことないです。ほしかったんで、すごくうれしいです」
「そうか?」
「はい……」
主任は小さく首を傾げたかと思うと、右手を伸ばして、トン、と私の横の壁についた。
これって壁ドン!?
やだ、嘘、主任に!?
きれいな鳶色の瞳で斜めに見下ろされて、ドキドキしてしまう。
そっと視線を落とすと、主任のスーツの左手が私を囲うように顔の横で壁についた。
「俺、前から疑問に思ってたんだけど、塚本さんがいつも熱い目で見つめてたのは、俺のマグカップなの? それとも……俺の唇?」
「えっ」